義歯・入れ歯とは
どのように義歯(入れ歯)ができるの?
「見た目が若々しく、よく噛め、おいしく食事ができ、楽しく話しができる。」私たちはこんな義歯(入れ歯)づくりを目指しています。
歯がなくなってきた口腔を、どのように治し、どのように噛めるようにするのか?
噛んでも痛くなく、はずれにくい義歯(入れ歯)をつくるには、まず口腔の歯ぐきにぴったりの義歯(入れ歯)を作らなければいけません!そのための重要な手順をご紹介します。
義歯(入れ歯)をつくる時にまず行う型どりに十分な時間をかけ、精密な型をとります。(精密印象といいます)
患者さんのアゴの土台の筋肉・粘膜など周囲組織やアゴの土台の精密な型をとるのに2回の型どりを行います。
患者さんにあった適切な入れ歯の歯を並べ、正しい噛み合せを再現するため、前後、左右、上下の位置を慎重に決めます。
これも十分な時間が必要です。(咬合採得といいます)
見た目が自然な義歯(入れ歯)をつくるために、型をとり、噛み合せ、位置決めがすんだら、次は、できるだけきれいに並んでいた患者さんの昔の歯に近い自然な歯を仮に並べて、口腔で試適します。技工室で原則通りに並んだ歯をお口の中でその人の顔・表情を見ながら調整します。一度だけでなく、また日を変えて試適し、並べかえることもあります。この段階で患者さんと新しい義歯の歯がピッタリとしてきます。
ピッタリとしてくるまで、時間をかけて調整します。
出来上がった真新しい義歯をいよいよ口腔で最終の調整(咬合調整)して、患者さんの臓器の一部に生き返らせるのです。義歯の最終調整は口元の印象を決定付ける前歯の最終調整としっかり咬める義歯の元となる咬み合わせの徹底した調整が大切です。
そのため、噛み合せは慎重にくり返し調整を行います。患者さんはいろいろな位置で噛むので、何回も噛んでは調整の繰り返しとなります。はじめて装着したばかりは治療室で意識的に咬合調整をしている位置と患者さんが家で食べる位置ではわずかですが、噛む位置がずれている場合が多いのです。
患者さんの年令が比較的若い人やアゴの土台がある程度ある人の場合は、義歯(入れ歯)を入れてそれで調節が必要ないという方も珍しくありませんが、高齢でアゴの土台が無い、難症例の義歯(入れ歯)の方ほど、噛む位置はなかなか一定していないのです。
けれど、心配入りません。診療室での調整を何日かおきにすることにより、ピッタリとした噛み合せになり、ご自分の臓器の一部に溶け込むようになってきます。